東京都盲ろう者支援センター

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介助者の帯同不許可による盲ろう選手の
パラリンピック出場断念についての声明
「盲ろうのパラリンピアンに合理的配慮を」

 認定NPO法人東京盲ろう者友の会は、視覚と聴覚の両方に障害のある「盲ろう者」の社会参加と自立を目的に活動している当事者団体です。
 私たち盲ろう者は、その障害ゆえに、他者とのコミュニケーションや情報入手、単独での移動といった3つの困難を抱えています。
 しかしながら、この3つの困難を解消する「通訳・介助者」のマンツーマンのサポートがあることで、盲ろう者は社会参加が可能となり、本人の努力次第で様々なことにチャレンジできるようになります。

 8月24日より開催される東京2020パラリンピックに、米国の盲ろうの競泳選手、ベッカ・メイヤーズさんが出場することになっていました。メイヤーズさんは視覚と聴覚の障害による多くの困難を乗り越え、前回のパラリンピックで3つの金メダルを獲得しました。2017年からは母親が介助者として国際大会に帯同し、必要な支援を受けながら、2019年の世界選手権でも優勝しています。
 東京2020パラリンピックでの活躍が期待されていたメイヤーズさんですが、東京2020パラリンピックの出場を断念せざるを得なくなりました。報道によると、新型コロナウイルス感染防止対策として、メイヤーズさんの介助者の帯同の許可が下りなかったことがその理由とされています。

  国際パラリンピック委員会(IPC)は、パラリンピアンたちに秘められた力こそが、パラリンピックの象徴であるとし、「勇気」、「強い意志」、「インスピレーション」、「公平」の4つの価値を重視しています。
 メイヤーズさんは、盲ろうという障害がありながら、勇気を持ってチャレンジをし、強い意志のもと努力を続け、目覚ましい結果を残し、人の心を揺さぶることができたアスリートです。
  そのメイヤーズさんについて、介助者の帯同が認められないということは、IPCが重視する4つの価値のうちの「公平」(多様性を認め、創意工夫をすれば、誰もが同じスタートラインに立てることを気づかせる力)に反していると言わざるを得ません。
 そして、「公平」に向けて、盲ろうのアスリートに介助者の帯同を認めることは、必要かつ適当な対応であり、障害者権利条約にも謳われている「合理的配慮」だと考えられます。

 私たちの願いは2つです。
 1つは、関係機関の皆様に、盲ろうのアスリートが介助者を帯同して東京2020パラリンピックに出場するための方策について、建設的な対話のもと、改めて検討していただくことです。
もうひとつは、私たち盲ろう者の希望の光であるベッカ・メイヤーズさんが、他のアスリートと同じように、東京2020パラリンピックのスタートラインに立つことです。

2021年7月27日
認定NPO法人東京盲ろう者友の会
理事長 藤鹿一之

介助者の帯同不許可による盲ろう選手のパラリンピック出場断念についての声明(PDF版)