理事長メッセージ

新しい時代に向かって

認定NPO法人 東京盲ろう者友の会
理事長 藤鹿 一之(全盲ろう)

 私たち盲ろう者は視覚と聴覚の両方に障がいがありますが、多くの方々のご支援により、盲ろう者にとって、少しずつ暮らしやすい社会になってきました。これまで、盲ろう者福祉向上のため、ご尽力いただいた皆様に感謝申し上げます。ありがとうございます。

 さて、元号も平成から令和に変わり、また、2020年には新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中の人々の生活が一変しました。当会にとっても、ターニングポイントを迎えたと感じています。

 デジタル化が急速に進み、新型コロナウイルス感染防止の観点から対面ではなく、オンラインで他者とコミュニケーションを取る機会が急増しました。私自身、盲ろう者になるまでは、他者と直接、コミュニケーションを取ることの大切さを理解できていませんでした。何も考えずに他者とコミュニケーションを取っていたからです。盲ろう者になって初めてコミュニケーションの大切さを知りました。

 私たち盲ろう者は独力で社会参加を果たすのは限界があります。コミュニケーションおよび移動の支援、様々な情報提供をして下さる方々の存在が必要不可欠です。また、多くの方々に盲ろう者のことを知っていただく必要があります。

 新しい時代に向かって、盲ろう者だからこそ、社会に向けて発信できることもあると思っています。多くの方々に私たち盲ろう者と関わっていただける時代が来ることを願っております。ご支援、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。